片田舎の小さな村。 山裾を切り開いた様に広がっており、近くには千曲川が流れる。 田畑が多くあり、米や林檎、また、名物である蓮根などの生産が広く行われている。 こうした地形的理由や五穀豊穣を願っての為か、村内の至るところに寺社が在り、大小含めて十を超える数が建立されている。 河川敷の一部がグライダー場になっており、近くにはそのための施設もあるなど、工業も盛んに行われている。 村の中央には菓子やおやきを販売する古くからの老舗が在る。 また、村の外れには私営の美術館も建っており、来る者を楽しませている。 最近では村の一部をニュータウン化し、人口の増加にも成功している。 近くには高速道のインターも在って、古今一体とした、穏やかでいて新鮮味ある雰囲気が漂う。
本社は電鉄線沿いに鎮座されている。 祭神は建御名方命・八坂刀売命・菊理姫命・奥津比古命の四体。 三十年ほど前に起きた強い北風と降雹により神殿裏の、凡そ300年余りのクヌギが倒れ、同時に切られた槐の木は(樹齢)400年以上との事である。 総欅の鳥居は江戸末期の建造で、屋根は銅葺き。 幟は五反物で、書は明治時代は撫山、大正・昭和時代は梅城の筆である。 祭日は、春は4月28日より29日、秋は9月28日から29日である。 本神社の隣地はやや小高く、往古の浄音寺跡である。 『若穂の文化財』より一部抜粋 地区名と社名を混同したまま執筆に当たったため、作中表記の社名は本神社名とは似ても似つかない名称になった。という、何とも体たらくな曰く付き。
『若穂の文化財』より一部抜粋
本社は石の玉垣に囲まれ、老いた欅の大木で静寂そのものの中に鎮座されている。 本社は若穂唯一の延喜式内社であり、社伝及び古文書によれば、妙徳山頂の白鬚明神を祀る小社が本社であったと言われる。 往古は妙徳山頂にあったためか、元来の社号は越智神社と言い、幾度かの水害にあい、社号の額を流失したとの伝承が残っている。 寛永3年頃、社号の登録制度があり越智の社号で申請したが既に近村の社が越智の社号を申し受けてあったため、現在の社名に改めたという。 祭神は可美遅(ウマシマジ)命・建御名方命・埴安神の三神。 明治41年に周辺8区より氏神その他12社が合祀され13社になった。 祭事は各区1年毎の当番制とし、4月12日の祈年祭と10月1日の例祭、11月23日の新嘗祭が行われている。 本殿屋根の棟木の両面には鬼の妻飾りが付けられており、一般にも見られる鬼瓦と同じ魔除けと考えられるが、神社建築では珍しい意匠である。 『若穂の文化財』より一部抜粋
当作品の主人公 父母の帰郷に伴って、お盆を父方の故郷で過ごすことになった少女。 一家の住む都会とは懸け離れた片田舎の地に新鮮さを覚える。 狭い土地を右に左にと探検するうち、神々の一人深奈と邂逅する。 幼い頃からネットを通じて大人たちの世界に触れて来たため、 子どもらしからぬ知識量を持つ。 その過程で大人の老獪さも学ぶが、いかんせん子どもなので詰めが甘い。 興味分野を見出すととことん突き進むため、吸収が早い。
若町に住む神の一柱。本作のヒロイン。 面倒を嫌った深奈に、阿美の案内役兼遊び相手を押し付けられる。 若町に住む神の中では、唯一若町内外を往来できる存在。 その特性も相俟って、旅行をすることが趣味。 作中で阿美と邂逅を果たしたときも、旅行からの帰りであった。 温厚温和で誰に対しても分け隔てなく優しく接する。 でも割と腹黒だったりする。
若町に住む神の一柱。 町川神社にて阿美と邂逅し、放送禁止事項な理由から阿美に神力を注ぐ。 同神社にて匿っている早夜とは懇ろな仲で、暇さえあれば乳繰り合っている。 町川神社のほか、蓮姫の暮らす小山内神社にも祀られている。 小山内神社は延喜式内社と、格式の高い社であり、本来はそちらに住まうべき筈なのだが、早夜との懇ろを重視し、町川神社に根を下ろしている。 延喜式内社に祀られていることからも判るとおり、格式高い神の分霊。 深奈自身も若町に住む神々の統括役を担っている。 しかし最近ではその職を蓮姫に丸投げしており、事実上、役務放棄している。
若町に住む神の一柱。 元々若町に根を張る神ではなかった。 若町が結界化した時に運悪く居合わせてしまい、以来若町で暮らす。 深奈に気に入られ、彼女が祀られる社の一つ、町川神社に住まう事を許された。 思慮深く温厚で口数も少なく、あまり本心を露にしない。 深奈とは懇ろな関係で、暇させあればいつも乳繰り合っている。 頭の猫耳は深奈に付けさせられた。 理由はタチの逆だから。
若町に住む妖怪。 妖怪と言えど元々は神であったため、菊理を始めとした他の神とも交友関係にある。 時折小さな悪さを働くが、大きく見れば人畜無害な妖怪。 性格は名にあるように火の如し。豪快で明快。 竈を司る神であったため、意外にも料理が得意。 とかく火に纏わることが好きで、火に関係する慣用句を浴びせると喜ぶ。 常に紫煙を燻らせている。 趣味は家庭菜園。 通常の野草なども育てるが、中には麻や芥子などもある。 小さなことに拘らない様、また、時折見せる幼稚さなど、阿美と良く気が合う。
若町に住む神の一柱。 本来は深奈が担当のはずの統括役だが、事実上、彼女が担っている。 普段から様々な事物に対して思考を巡らしており、独自の感性を持っている。 しかし他者とのコミュニケートが苦手で、口下手。 他の神々より神格も高く、そういった彼女を取り巻く環境も要因となって、中々他者に自分というものを理解して貰えない。 本人は特別気にしていないが、彼女を知る神々はそうした状況にやきもきとしている。 実際は下ネタが好きなど、割と下世話。